2012年7月3日火曜日

ユーロ2012年 スペイン 2連覇達成!

このたびは合唱と何の関係も無い話。

私はサッカー競技の経験はないが、メキシコオリンピック(1968年)で日本代表が銅メダルを獲得して以来のサッカーファンである。日本代表が不甲斐ない時代にはサッカーから離れたが、Jリーグがスタートするとともにサッカーへ関心を戻した。スペインサッカー見たさからWOWOWと契約しているほどである。
今年のユーロ大会はウクライナとポーランドの共同開催。6月8日に開幕して昨日7月1日に決勝が行われ、全32試合すべて観た。
大会の関心は、スペインが4年前の前回大会、更には2年前のW杯に続いて主要大会3連覇達成出来るか、はたまたドイツ代表がそれを阻止するか、に向けられた。ドイツ代表の前評判は高かった。ドイツは予選、一次リーグを通じて全勝で準決勝まで駒を進めてきた。ところが、故障者続出やら八百長疑惑などで前評判が高くなかった苦手イタリアに準決勝で完敗。一方スペインはチームとしてのピーク時が過ぎ、若きドイツの勢いに敗れるのでは、との見方も強かったが、準決勝でC.ロナウド擁するポルトガルをPK戦の末何とか下し、ドイツを破ったイタリアと決勝を戦った。
軍配が上がるのは、延長戦を含め120分戦った優勝候補スペインか、ドイツを破って勢いに乗る攻撃スタイルに変貌したイタリアか。結局のところ、中2日のイタリアの足は重く、中3日のスペインはポルトガル戦とは見違えるほど動きがよかった。イタリアは前半早々に故障者が出、おまけに2点リードを許した後半、交代で入った選手が故障で退場。一人少ない10人で2点を追う展開となった。この時点で明らかに選手の動きが一層悪くなった。その後更に2点加えられ、スペインに圧倒された。
かつて、スペインはW杯などでは優勝候補に挙げられながら、いつも期待を裏切ってきた。しかし、4年前の前回大会以来のこのチームはそれまでとは異なる。素早い玉回しによるパスサッカーで試合を支配し、可能性の低いシュートやロングパスは試みない。細かく玉をつなぎ、一瞬の隙を突く。今のスペイン代表にはエースストライカーがいないこともこうした戦術をとることになっているのかもしれない。F.トーレスにはかつての輝きを感じられない。ドイツのように高さで勝負することも出来ない。おそらく日本代表と比べても今のスペインチームの平均身長は大差ないだろう。
デル・ボスケ監督がとった戦術はトップを置かない、「ゼロトップ」と見なされた。FWを置かないのである。否、一度FWのネグレドをトップにおいたが、全く機能しなかった。決勝戦ではMFのセスクがトップの位置に入った。しかしその役割は、点をとることよりもディフェンスを意識したものであった。
このサッカースタイルは、スペインサッカーと言うより、FCバルセロナの戦い方なのだ。この代表チームにはバルセロナの選手が7人参加。内決勝にはその6人が出場している。左サイドバックのJ.アルバはもともとバルセロナのカンテラ育ち、バルセロナへの移籍が決まっているので、スペイン代表はバルセロナのチームと言いたくなる。これに故障で出場できなかったビジャやスペインチームの顔とも言えるプジョルが加わっていれば、バルセロナ単独でスペイン代表チームを構成できるほどである。バルセロナの宿敵、R.マドリードの選手たち、GKのカシージャスやセルヒオ・ラモス、シャビ・アロンソ、アルベロアもバルセロナのスタイルに良くなじんでプレーしているように見えた。
このバルセロナの戦術を支えているのが、二人のMF、シャビ・エルナンデスとイニエスタである。彼らは決して汚いラフプレー、レフリーを欺くようなプレーをしない。この二人はチームに品格を与える力を持つ。相手チームの選手からも尊敬されていることは試合の中でも感じられる。
スペインはフランコ時代の悪政も手伝って、地域対立の激しい国であった。北東に位置するバスク地方は分離独立を求める武装闘争が激しいこともあった。バスク地方の伝統ある強豪A.ビルバオはバスク出身者に限ることをルールにしている。スペインでは代表チームなど応援するものは少なく、なによりも地域のチームを大事にするとはよく言われたことだ。しかし、今のスペイン代表チームを観ていると、出場機会の無かったビルバオの2人の選手、ジョレンテとハビ・マルチネスが懸命にチームをもり立てる姿が見られた。ボスケ監督の人望によることも大きいのであろうが、チームとしての強い一体感が優勝に導いたのだと思う。今スペインは経済的に大きな困難を抱えている。このたびの優勝がこの困難を乗り切る力を国民に与えることを期待したい。




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